コラム
胃がんについて
日本人に発生するがんにおいて、胃がんは最も多いもののひとつです。検診の普及や内視鏡などの診察技術の向上により早期発見されるようになり、死亡率は減少してきているものの、かかる人の数はまだまだ多いです。一方、死亡率が減少しているということは、診断や治療の進歩により治りやすいがんになっているといえます。しかし、そのためには早期に発見・治療することが重要になってきます。<胃がんにかかりやすい年代、要因>
胃がんにかかる人は、40代から増え始め、50代~60代が多くを占めています。
胃がんになる要因ははっきりとは分かっていませんが、慢性胃炎を起こしている、塩分の多すぎる食事・熱すぎる料理を摂取する、過食や早食い、飲酒量・喫煙量が多いことなどが挙げられています。最近では、ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が胃がん発生との関連が強いと注目されています。
<胃がんの症状>
胃がんは進行の程度に関わらず症状がまったくない場合もあります。初期段階では、ほとんど無症状で、このような状態では定期検診で発見される場合が多いです。
少し進行すると、食欲がない、胃が重たい、胸焼けなどの胃部の不快感が現れることがあります。黒い便が出たり、体重も徐々に減少し始めます。さらに進行すると、痛みとともに食べ物が通りにくくなったり、貧血になったりします。このような症状が出る場合には治療が急がれます。
また、通常の胃がんとは異なる症状の進み方をする、スキルス性胃がんというものがあります。がん細胞が胃の粘膜の表面に現れずに胃壁の中を広がるように進行していき、胃全体を硬くしてしまいます。症状の進み方が特殊なため、検査をしても早期発見が難しいのが現状のようです。
<胃がんの診断>
胃がんの診断は、一般に胃X線検査と内視鏡検査により行われます。その他、がんの広がり具合を見るために胸部X線、腹部超音波、CTなどを行います。胃のすぐ近くには大腸が通っているため注腸検査も行います。
・胃X線検査
バリウムを飲んで、X線で胃の形や粘膜(しわ)の状態を見ます。途中、発泡剤を飲んで胃を膨らませるので、検査中はゲップを我慢してください。
・内視鏡検査
ファイバースコープで胃の内部を直接見て、がんが疑われる場所の広がりや深さを調べる検査です。がんが疑われる場所の一部を採って、がん細胞の有無を調べる検査もします。
<胃がんの治療方法>
胃がんの治療方法には、内視鏡的治療、手術療法、抗がん剤治療、及び放射線治療があります。
・内視鏡的治療
早期の胃がんに対して行われる治療で、がんを内視鏡で見ながら切り取る治療法です。
・外科療法
早期発見できるようになった現在でも、胃がんに対する現在最も一般的な治療法です。手術ではがんを含め胃やリンパ節などを切除します。 通常は胃の2/3以上を切除します。切除した後には残った胃と十二指腸や小腸をつなぎ合わせて、食物の通る新しい道を再建することになります。
・放射線治療
高エネルギーのX線を当ててがん細胞を殺します。手術できないがんに対して、また再発したがんの痛みを取り除いたりする目的で行われますが、胃がんではあまり一般的には行われていないようです。
・抗がん剤治療
遠隔転移などにより外科療法では切除しきれない場合や、再発の危険が高いと判断された場合は抗がん剤療法が行われることがあります。人によっては抗がん剤の使用により劇的に病状がよくなることもありますが、完全にがんが消失するのは極めて稀なことであるようです。