コラム
甲状腺について
<甲状腺とは>甲状腺は喉仏の下に、蝶が羽を広げて気管を抱くような形でくっついている臓器です。大きさは、左右に広く縦4cm暑さ1cmで重さは15gほどです。正常な甲状腺は柔らかいので外から触ってもわかりません。
<甲状腺の働き>
甲状腺の働きは、食物中のヨードを材料にして甲状腺の中で甲状腺ホルモンを作り、血中に分泌することです。甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し新陳代謝を促す役割があります。健康な生活を送るには、適量の甲状腺ホルモンが血中に存在していることが必要です。多すぎても少なすぎても体調が悪くなってしまうのです。
甲状腺ホルモンの量は、脳にある脳下垂体からでる甲状腺刺激ホルモンにより一定に保つように指示されています。
<甲状腺の病気>
大きく分けて、以下の3つに分類されます。
①甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが多い状態)
②甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが少ない状態)
③結節性甲状腺腫(甲状腺にしこりができた状態)
<甲状腺機能亢進>
様々な原因で甲状腺ホルモンの分泌量が増えて、体の新陳代謝を必要以上に高める指示を出してしまうために起こる疾患です。
・症状
暑がりである、汗が異常に多い、疲れやすさ・だるさがある、脈拍数が多く動悸がする、甲状腺が腫れる、食欲が増える、体重の減少、眼球が出るなどといった症状が出ます。更年期障害と間違われやすいです。
・病気の種類
無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能性結節などがありますが、一番多い病気はバセドウ病です。
・治療
バセドウ病の治療方法には、薬物療法、手術、アイソトープ治療(放射性ヨード内服)の3つの治療法がありますが、病気の程度やライフスタイルによって選択は異なります。薬は長期服用する必要があるので、それが困難な場合は手術やアイソトープ治療も考えます。
<甲状腺機能低下症>
甲状腺の働きが衰えて血液中の甲状腺ホルモンが少なくなる疾患です。
・症状
寒がりである、汗が少ない、脈拍数が少ない、皮膚の乾燥、無気力、物忘れしやすい、眠い、動作が鈍い、体重が増える、筋力の低下など様々な症状がでます。うつ病と間違われることもあります。
・病気の種類
ほとんどが甲状腺に慢性の炎症がある橋本病です。
・治療
甲状腺ホルモンをもはや作れないという状態になっているため、不足している量の甲状腺ホルモンを薬(甲状腺ホルモン剤)として服用(補充)します。一生薬を飲見続けることになる場合が多いようです。
<結節性甲状腺腫>
甲状腺内にしこりができる疾患です。良性・悪性があります。
・症状
自覚症状がほとんど見られません。知らない間に徐々に大きくなり、しこりがあるのを手でふれてわかるようになります。
・病気の種類
良性の結節性甲状腺腫には、甲状腺腺腫、腺腫様甲状腺腫、甲状腺機能性結節があります。
甲状腺悪性腫瘍は、乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん、悪性リンパ腫など5種類に分けられています。
・治療
良性の場合、ほとんどが経過観察となります。経過次第で、薬物療法を行ったり手術を行ったりする可能性もあります。エタノールを注入してしこりを消失させる治療方法もあります。
悪性の場合は基本的には手術を行います。悪性リンパ腫の場合は放射線と抗がん剤の治療となります。術後は再発防止のため、甲状腺ホルモン剤を服用することになるようです。