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コラム

子宮がんについて

 婦人科のがんで最も多いのは子宮がんです。女性全体のがんでは、乳がん、胃がん、結腸がん、肺がんに続いて5番目に多いがんです。子宮がんと一口にいっても、子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんの2種類があります。子宮は子宮体部と子宮頸部に分けられます。球形に近いかたちの体部は胎児の宿る部分であり、下方に続く頸部は細長く、その先は膣に突出しています。子宮体がんは子宮の奥にある体部の内膜から発生し、子宮頸がんは、子宮の入り口である頸部の上皮(表面の細胞)から発生します。同じ子宮のがんであっても、 子宮体がんと子宮頸がんでは原因や治療法などが全て異なりますので、両者の違いを正しく理解することが大切です。以下、子宮頸がんと子宮体がん、それぞれについて説明します。 

≪子宮頸がんについて≫

がんにかかる年齢層
 主に30代から40代が中心ですが、20代から30代の若年層でも年々増加傾向にあります。近年、子宮体がんが増加傾向にありますが、依然として子宮頸がんが婦人科系ではもっとも多いがんです。

原因
 初交年齢が早い方、性的パートナーが多い方、妊娠・出産回数の多い方がなりやすいといわれています。これは、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)というウイルスによるものと言われています。また、喫煙もその原因であると考えられています。

症状
 初期の子宮頸がんでは、通常、全く症状がありません。がんが進行した後の症状としては、月経ではない時の出血や、性行為の際の出血、またいつもと違うおりものが増えたりします。その他、月経の量が増えたり、長引いたりすることもあります。環境や年齢から性行為の少ない方は、出血を見る機会自体が少なくなりますので、頸部がんが相当進行してから出血を見ることもあります。婦人科の症状がなくても、30歳を過ぎたら少なくとも年に1回は子宮がん検診を受けるとよいでしょう。

検査内容
 内診や細胞診を行います。細胞診は、子宮頸部より細胞を採取し、がん細胞だけでなく前がん病変の細胞の有無も判定します。子宮頸部の表面を広くこすって細胞を採取する検査で、出血もなく簡単にできるうえ、精度も高いです。この検査の普及により、子宮がんで死亡する率が下がっています。
 
治療法
 子宮頸がんの治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)の3つがあります。どの方法を採用するかは、進行具合や患者の年齢など、様々な要因を総合的に判断して決定されます。子宮頸がんの手術では子宮の摘出を行いますが、初期のがんの一部の症例では子宮温存が可能です。

≪子宮体がんについて≫

がんにかかる年齢層
 主に50代から60代が中心です。以前は子宮体がんになる方は少なかったのですが、近年は増加傾向にあります。また、子宮がん全体の死亡率は大きく減少していますが、これは子宮頸部がんによる死亡率の減少によるものであり、子宮体部がんによる死亡率は上昇しています

原因
 女性ホルモンとの関係が深いと考えられています。閉経された方、月経異常のある方、妊娠・出産経験のない方などは子宮体がんになりやすく、また、肥満、高血圧、糖尿病も、ホルモンバランスが崩れ、がんの原因となると言われています。

症状
 子宮頸がんと同じく、通常、初期段階では全く症状がありません。その後、最もよく見られる症状は出血です。特に、閉経後に少量ずつ長く続く出血がある時は、早めに子宮体がんの検査を受けたほうがよいでしょう。また、検診などで「子宮がんの検査」という場合、子宮頸がんのみの検査を指すこともあるので注意が必要です。

検査方法
 子宮体がんにおいても細胞診が行われます。しかし、子宮体がんは、子宮の内側より発生するので、子宮頸部がんで行われるような細胞診テストでは子宮体がんは発見できません。子宮体がんの場合は、細いチューブを腟から子宮の中に入れて子宮内膜の細胞を吸引採取したり、挿入したブラシでかきとった細胞を調べるといった検査を行います。少し痛みがあり、検査後数日間、少量出血することがあります。子宮体がんは、一般検診で検査が行われることが少ないこともあり、不正出血などの症状が出てから検査を受けるケースが多いようです。しかし、早期発見のためにも、自覚症状の有無にかかわらず定期健診を受診するとよいでしょう。

治療法
 子宮体がんの治療の中心は手術療法であり、子宮、卵巣、リンパ節を切除します。再発の可能性が高い場合には放射線療法や化学療法(抗がん剤治療)を行います。しかし、子宮体がんは放射線の感受性が低いことや、照射した以外の部位以外の再発も多いこと、また子宮体がんは抗がん剤の効果が高いこともあり、放射線療法より抗がん剤を用いた治療が広く行われています。

子宮がんは初期段階ではほとんど症状がないため、早期発見のためには定期的な検診を受けることが重要になってくるのです。

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